未成年者のパスポート取得申請における注意点

 

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近年、国際結婚が増えている一方で、海外で結婚生活で困難に直面したそれぞれの国籍の異なる父又は母のいずれかが、居住地の法律に反する形でもう一方の親の同意なしに子どもを母国に連れ去り、問題になるケースも発生しています。

この問題に対する国際的な条約が成立しており、未成年者のパスポートを発行申請する際には注意が必要です。

本稿では、未成年者のパスポート取得申請における注意点を紹介しております。
子供(未成年者)・乳幼児のパスポート申請方法等については子供(未成年者)・乳幼児のパスポート申請方法・必要書類まとめをご覧ください。

未成年者のパスポート取得申請における注意点

未成年の子に係る日本国パスポートの取得申請の際には、親権者である両親のいずれか一方の「法定代理人署名」欄(申請書裏面)への署名をもって、両親の同意を代表するものとみなして申請書を受け付けられています。

ただし、パスポート申請に際し、もう一方の親権者から子のパスポート申請に同意しない旨の意思表示が、あらかじめ日本国内にある都道府県パスポート事務所や海外にある日本国大使館、総領事館に対して提出されているときは、パスポートの取得は、通常、当該申請が両親の合意によるものとなったことが確認されてから行うことになります。

その確認のため、都道府県パスポート事務所や在外公館では、通常、子のパスポート申請についてあらかじめ不同意の意思表示を行っていた側の親権者に対し、同人が作成(自署)した「パスポート申請同意書」の提出意思をお尋ねし、同意書の提出が行われた後にパスポートを取得しています。

不同意の意思表示は、都道府県パスポート事務所又は在外公館に出頭の上、親権者であることを証明する資料(戸籍謄本等)を添付の上、書面で行う必要があります。提出書類等の詳細は、不同意書を提出する都道府県パスポート事務所又は在外公館までお問い合わせください。

また、国によっては、父母の双方が親権を有する場合に、一方の親権者が、子を他方の親権者の同意を得ずに国外に連れ出すことを刑罰の対象としていることがあります。実際に、居住していた国への再入国に際し、子を誘拐した犯罪被疑者として逮捕されたり、ICPO(国際刑事警察機構)を通じて国際手配される事案も生じており、そのように国内法で子の連れ去りを犯罪としている国に所在する在外公館では、在留邦人の皆様がこのような不利益を被ることを予防する観点から、子のパスポート申請の際には、他方の親権者の不同意の意思表示がない場合であっても、パスポート申請に関する両親権者の同意の有無を口頭にて確認させていただいておりますので、あらかじめご承知ください。

詳しいご質問等については、最寄りの都道府県パスポート事務所、日本国大使館、総領事館、又は外務省パスポート課にお問い合わせください。

Q.何が問題なの?

A.米国の国内法(刑法)では、父母のいずれもが親権(監護権)を有する場合又は離婚後も子どもの親権を共同で有する場合、一方の親が他方の親の同意を得ずに子どもを連れ去る行為は、重大な犯罪(実子誘拐罪)とされています(注1)。

例えば、米国に住んでいる日本人の親が、他方の親の同意を得ないで子どもを日本に一方的に連れて帰ると、たとえ実の親であっても米国の刑法に違反することとなり、再渡航した際に犯罪被疑者として逮捕される場合があり得ますし、実際に、逮捕されたケースが発生しています。また、ICPO(国際刑事警察機構)を通じて誘拐犯として国際手配される事案も生じています。

国際結婚後に生まれた子どもを日本に連れて帰る際には、こうした事情にも注意する必要があります。具体的な事案については、家族法専門の弁護士に相談されることをお勧めします。

(注1)16歳未満の子の連れ去りの場合、罰金若しくは3年以下の禁錮刑又はその併科を規定(連邦法Title 18, Chapter 55, Section 1204)。州法により別途規定がある場合もあります。各州による規定の詳細については、以下のNational District Attoneys Associationのウェブサイトを御参照下さい。
NDAAサイト:National District Attoneys Association

Q.ハーグ条約(国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約)とは、どのような条約?

A.2013年の第183回通常国会において、国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約(ハーグ条約)の締結が承認され、国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律(条約実施法)が成立しました。

これを受け、2014年1月24日、日本は、条約の署名、締結、公布にかかる閣議決定を行うとともに、条約に署名を行った上で、オランダ外務省に受諾書を寄託しました。
この結果、日本においては、ハーグ条約は、同年4月1日に発効しました。

この条約の締約国は、他の締約国に不法に子を連れ去られたとの監護権者からの申立てを受けて、子が元々居住していた国に迅速に返還されるようにするための措置をとる義務を負います。親権をめぐる父母間の争い等は、子の返還後に、子が元々居住していた国の裁判所において決着することが想定されます。

上記のとおり、この条約は、もう一方の親の同意を得ない等不法に連れ去られた子の返還について定めるもので、子の居住していた国の法律、手続に従って日本に連れてきた子は、この条約の対象とはなりません。詳細は、以下のサイトをご参照ください。

・国際離婚のその時、子供を守るためにハーグ条約を知っておこう!
・国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約(ハーグ条約)

未成年の子に係る日本国パスポートの取得申請について

未成年の子に係る日本国パスポートの取得申請については、親権者である両親のいずれか一方の申請書裏面の「法定代理人署名」欄への署名により手続を行っています。

ただし、パスポート申請に際し、もう一方の親権者から子のパスポート申請に同意しない旨の意思表示があらかじめ在外公館に対してなされているときは、パスポートの取得は、通常、当該申請が両親の合意によるものとなったことが確認されてからとなります。その確認のため、在外公館では、通常、子のパスポート申請についてあらかじめ不同意の意思表示を行っていた側の親権者に対し、同人が作成(自署)した「パスポート申請同意書」(書式自由)の提出が必要です。

また、米国においては、父母の双方が親権を有する場合に、一方の親権者が、子を他方の親権者の同意を得ずに国外に連れ出すことは刑罰の対象となる可能性があります。(アメリカ各州により規定に違いがあります)実際に、居住していた国への再入国に際し、子を誘拐した犯罪被疑者として逮捕されたり、ICPO(国際刑事警察機構)を通じて国際手配される事案も生じております。
そのため、子のパスポート申請の際には、他方の親権者の不同意の意思表示がない場合であっても、パスポート申請に関する両親権者の同意の有無を口頭にて確認しております。


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